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社説 中古住宅が日本を再生 まずは業界の底上げを

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 日本社会を覆う閉そく感の要因の一つは、日本人が日本人としてのアイデンティティを失いつつあることだ。戦後、日本が米国を目標に経済成長を続けていた時代は、「エコノミックアニマル」と揶揄されたとはいえ、〝企業戦士〟としての矜持も抱いていた。

 米国に追いつくという国の目標に貢献できているという思いがあったからだろう。

 とするなら、今日本が国家としての明確なビジョンを喪失してしまっていることこそ、日本社会の閉そく感の源ということになる。

 日本が国としての活力を引き出す一助となるのが、住宅・不動産業の再生である。中古住宅市場の流通活性化は、住宅の資産価値維持と向上を究極の目標としている。それが長寿社会における生活不安の解消を目指すものならば国民の高い支持を得られるはずだ。

 そのためには、まずは取引の活性化が必要であり、宅建業者が提示する売り出し価格が適正であることなど、不動産業界に対する国民の信頼向上も不可欠となる。そこで注目したいのが、6月末に発表された「不動産流通市場活性化フォーラム」提言に盛り込まれた「不動産業界が世の中から信頼されるために、事業者の倫理感についても教育していく仕組み」。

 これは本紙が主張する、不動産営業マン全員を対象とした資格制度を示唆している。営業マンとしての倫理や、所属する企業のコンプライアンスに関する知識を修得した者に公的資格を与えようというものだ。

 公的資格とすることに大きな意味がある。フォーラムはその倫理感教育の仕組みを「従業者のモチベーション向上」の一環として提唱している。モチベーション、つまり不動産営業マンとしての高い誇りを抱いて仕事をしてもらうとすれば、日本人の特性として、公的資格の付与が最も効果が期待できる。

 倫理とコンプライアンスを中心に、不動産営業の基礎知識に関する問題を加えた試験を年2回程度実施し、合格者には「不動産取引主任」(仮称)の称号を付与してはどうだろうか。

 この取引主任を監督する立場に現行の宅地建物取引主任者(新名称は不動産取引士)を置き、更により高度な専門知識を持つ者として、現行の不動産コンサルティング技能登録者(新名称公開募集中)を位置づけることを提案する。

 不動産営業マンによる第一線でのモチベーションの回復こそ、国民全体が、誠実に仕事をすることの意義を再確認し、日本のアイデンティティ回復につながっていくものと考えるが、いかがであろうか。

 

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