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社説 流通活性化策 ストック活用の意義実証しよう

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 国土交通省の中古住宅市場活性化推進策が2年目を迎えた。昨年6月の「不動産流通市場活性化フォーラム」提言を機に、その取り組みが注目を集めている。具体的には、同省の呼び掛けで宅建業者を中心にした関係事業者間連携のための協議会が全国に12発足している。リフォーム業者、一級建築士(建物診断)、瑕疵担保保険会社、不動産鑑定士、銀行(住宅ローン)など中古住宅流通に係わる事業者をネットワークし、宅建業者が窓口となることで消費者の多様なニーズに効率よく応えていこうというものだ。

 協議会の中には、既に消費者向けのワンストップ型情報提供商品を開発したところもある。例えば大阪府不動産流通活性化協議会では、建物検査(瑕疵保険適合検査)、シロアリ点検1年保証、不動産鑑定価格調査などの付加価値をパッケージ化した商品「ワンステート」を約9万円で提供している。同省は13年度も、こうした協議会の活動を支援し、新たな商品やサービスの開発を促し、消費者が安心して中古住宅の取引を行うことができる流通市場の整備を図る。

 内需の柱であるためには

 ところで、このように同省の住宅政策が、これまでのフロー(新築市場)中心から、ストック(既存住宅)へと大きく舵を変更する背景には何があるのだろうか。それは、日本経済の成長戦略を練るうえで、ストック活用という視点が大きな鍵を握るようになったということだ。

 今年は戦後68年となるが、この間、高度経済成長などを通じて日本は膨大なストックを形成してきた。住宅も08年時点で5759万戸も存在している。それに比べれば、毎年の新設住宅着工戸数(フロー)は約80万戸として1.4%に過ぎない。しかも、今後人口減少に加え、世帯数も減少に転ずれば住宅着工は更に落ち込んでいく可能性がある。

 住宅をこれからも内需拡大の柱としていくためには、1%程度しかないフローに着目するよりも、99%を占めるストックを流動化させる方が合理的である。

 中古住宅の流動化促進は、リフォーム産業の発展、地元経済の活性化、耐震化と省エネ化の促進など、様々な経済効果と環境問題への貢献が期待できる。

 更には、空き家問題への取り組みを通じて、住宅ミスマッチの解消(賃貸市場の活性化)、空き家管理ビジネスの創造など、住宅関連ビジネスを大きく変革していく可能性も秘めている。

 このような観点からも、今後の12協議会の活動には大きな期待がかかる。「量から質へ」と言われ始めて久しいが、スクラップ&ビルド型経済は今も続いている。もちろん、新築市場を否定する気は全くないが、ストック活用型の経済成長も可能であることを実証する責務も不動産業界にはあるのではないか。

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