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社説 予断を許さない住宅市場 増税後を見据えた布石を

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 15年度中間決算期を迎え、特殊要因を除けば新築住宅の請負が回復傾向にある大手各社の受注状況が明らかになった。政府により経済対策の一環として住宅取得支援策が打たれたこともあって、8%への消費税増税に伴い長引いていた反動減からようやく消費者マインドが上向きはじめたとみられ、大手をはじめとして住宅市場もにわかに活気づき始めた。

増税期限まで1年弱

 消費税が10%に引き上げられる適用期限が、建築請負は16年10月からと通常の引き上げより実質的に半年早く到来するため、増税の期限も1年を切った。これからの1年間は増税を回避する新築需要の動きが徐々に活発化してくることが見込まれる。

 しかしながら、10月で省エネ住宅ポイント制度(省エネエコポイント)が終了したことや、住宅ローン「フラット35S」の金利引き下げ幅拡大措置の終了も予想されるなど、懸念材料も多い。更に、再増税後にその反動で再び需要が落ち込む可能性が高いことに加えて、住宅市場の長期的な縮小も確実視されていることを踏まえると、新築住宅の建築請負市場が予断を許さない状況にあることに変わりはない。迫る増税後を見据えた布石を打ち、その布石を確実な基盤へと仕上げていかなければならない。

事業の多角化に舵

 市場縮小と増税後を織り込み済みの大手各社は、既に事業ポートフォリオの多角化に舵を切っている。多角化事業に位置付けているのは、リフォーム、不動産の流通・管理といったストックビジネス、高齢者向け住宅、海外住宅市場への進出といった分野。今中間決算ではこれら事業多角化の成果が一部の企業で表れてきたものの、縮小していく住宅需要を補えるまでに各種事業を安定した収益源として育てていくことができるかは未知数だ。

 主力としてきた新築請負分野においても、未開拓の分野へ挑戦する動きも活発化してきている。エネルギー問題を捉えた電力の自給自足をもたらす商品開発や、普及した3階建て住宅から更に中高層化を目指した商品展開、賃貸住宅併用を店舗・オフィス併用にまで広げる動きもみられる。また、木造系メーカーでは公共施設の木造化や国産材利用を推進する国の動きと歩調を合わせて、商業施設や事業施設といったRC構造、鉄骨構造の独壇場だった非住宅建築物の市場開拓も活発で、既存事業の枠組みを超える新たな可能性へのチャレンジも目立つ。

 今日の日本社会は地方衰退や空き家の急増、インフラ更新や自然災害への対応など多くの難題や変化に直面している。暮らしや社会の基盤である住宅を提供するからこそ見出すことができる、生活者の真のニーズに幅広く応えていくことが住宅業界には期待されている。

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