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社説 波及し始めた地価の回復 デフレ解消へ地方の底上げ急げ

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 制度開始から50年の節目にあたる地価公示(1月1日時点)がこのほど発表された。19年の全国の全用途平均は4年連続の上昇となり、上昇率は1.2%(前年比0.5ポイント増)と上昇幅も更に拡大した。住宅地は2年連続、商業地は4年連続の上昇となった。前年の地価公示で0.1%の下落だった地方圏の住宅地も0.2%上昇し、27年ぶりに上昇に転じた。

 デフレからの脱却を目指してきた政策運営により、地価もようやく回復基調を強めてきた。全国レベルで見た地価の動向は、東京五輪や大阪万博などを控えて再開発やインフラ整備が急ピッチで進む三大都市圏がけん引役であることに変わりはないが、インバウンド需要等が北海道倶知安町、沖縄県那覇市といったリゾート地の地価を大きく押し上げたほか、物流施設の需要の高まりから地方、郊外の一部で力強い地価の回復が見られた。

 地価の回復基調が強まった背景には、大手を中心とする企業業績の回復やそれに伴う雇用、所得環境の改善、低金利の継続、訪日外国人の増加などがある。住宅地では交通利便性等に優れた地域の住宅需要が堅調であり、商業地では法人の旺盛なオフィス需要に伴い空室率が低水準で推移していることに加えて、インバウンド効果に伴う店舗、ホテル等の需要の高まりなどが主な要因に挙げられる。

 しかし、大都市や人気リゾート地を除くその他多数を占める地方圏の特に住宅地の回復の足取りは重い。都道府県別に見ると、住宅地で上昇したのは前年より4増えて18に、横ばいは1減少の1になった。一方、下落は3減少したものの依然として28県にも及んでおり過半数を超える。逆に下落幅が悪化した岡山県や、上昇幅が縮小した福島県の被災2県があることも無視できない。

 またリーマンショック直前の08年を100とした地価指数を見ると、住宅地で当時の水準を上回ったのは宮城県と沖縄県のわずか2県。五輪効果などで地価上昇が顕著な東京でも95.4ポイントの水準にとどまり、全国の地価指数は86.5ポイントと約10年前の水準には達していない。

 こうした中でも、倶知安町や那覇市をはじめとして大都市圏を除く地域でも地価の回復に広がりが見られ始めたことは、下落が引き続く地方圏にも地価安定の可能性があることを示唆している。

 しかし現在の不動産市場は、一定の周期で不動産価格が上下動するサイクル型に移行してきている。既に不動産価格や賃料のピークアウトを指摘する声が高まっているように、上昇が続く大都市圏の地価もやがて調整期を迎える。地方圏もその影響は避けられないだろう。デフレ脱却の総仕上げとなる地価の安定には、まちづくりの再構築と不動産市場の活性化により持続性のある地方圏の底上げを急がなければならない。

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