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社説 新型肺炎拡大と住宅・不動産業界 落とし穴にはまらぬ早めの対策を

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 新型コロナウイルスによる肺炎の収束は、いまだ見えてこない。日本国内でも渡航歴がない人の感染が確認され、展示会が中止されるなど、ビジネスの場でも影響が出始めている。ある大手不動産企業幹部は、グループのホテルにおいて中国からの団体客のキャンセルが出ていることを指摘し、今後の新型コロナウイルスの影響度を注視していく発言をしている。

 新型コロナウイルスの感染がどこまで拡大し、いつ収束するのかを予想するのは困難だ。いつまで続くのかは専門家に任せるしかないが、住宅・不動産業界にとっての影響を具体的に考えておく必要はあるだろう。短期、中長期の時間軸別で、予想される具体例をいくつか挙げてみよう。

 まずは、短期だが既に影響が顕在化しているのは、インバウンド関連。中国などからの観光客の数が減り、ホテルや民泊において宿泊キャンセルが出ている。商業施設では、訪日客の姿が消え、売り上げへの影響が表面化。家電量販店のラオックスは、中国人観光客需要の急減を受けて希望退職者募集に踏み切った。店舗の撤退に発展すれば、商業施設のリーシングにも影響が出るだろう。

 これから本格的な引っ越しシーズンに突入し、不動産仲介の店舗は繁忙期を迎えるが、不特定多数の人と接触するため、感染予防対策は必須になる。万が一、1人でも感染者を出せば、横浜港のクルーズ船の例を見るまでもなく、店舗の営業は不可能になるからだ。住宅展示場でも大規模なイベントの開催は困難になる。注文住宅の受注が落ち込んでいる中で、集客のてこ入れ策を打つことができなくなる。

 中長期的には、景気後退だろう。既に中国国内での経済活動の落ち込みは顕在化しており、IMF(国際通貨基金)も新型コロナウイルスが日本経済の新たな景気へのリスクであるとの報告書を公表した。景気後退により、好調なタワーマンション需要やオフィスビル需要が減少する可能性がある。タワーマンションの需要は、低金利と世帯収入が高い共働き世帯に支えられている。企業業績が悪化し雇用が低迷すれば、共働き世帯の住宅取得意欲は減退する。オフィスビル需要も、働き方改革や新規採用増が広いオフィスを求める背景となっており、雇用低迷は需要に水を差す。

 今、住宅・不動産業界が行える新型コロナウイルス対策は、事前に事業への影響を想定し、早めに対策を準備しておくことだろう。従業員に感染者が出たときの業務対応や自宅勤務可能なテレワークの導入、新たな展示場てこ入れ策の検討、マンションやオフィスの供給計画の見直しなど、それぞれの企業、業界団体が当事者として時間軸を意識しながら早急にできることから着手することが必要になる。事態が起きてからの対応では、思わぬ落とし穴にはまりかねない。

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