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コロナ感染影響拡大 不動産業の警戒高まる

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 新型コロナウイルス感染症の広がりが、経済に深刻な停滞を招き、住宅・不動産市場にも暗い影を落とし始めた。

 新築マンション市場では、販売や集客への影響は現時点では限定的という声が多い。しかし、「モデルルーム来場のキャンセルなどが散見され、全体では若干の減少傾向。しかし実需の客は別の話と捉えて来場している様子。インバウンドも想定したマンション投資では、不動産の価値、魅力が減じているわけではなく影響は限定的」(大和ハウス工業)や、「堅調な物件もあり、大きな影響は顕在化していないが、集客イベントが開催できず、モデルルーム集客に影響が出ている」(三井不動産)との声が聞かれた。収束が見通せない中、長期化した場合の工期の遅れや供給減などが懸念され、各社先行きを注視している。

 住宅メーカー各社では、住宅展示場来場者の落ち込みや、資材・設備の一部納期遅延による引き渡し時期の遅れなどの懸念が浮上。積水ハウスは、3月の展示場来場者数が落ち込むと想定し、個別訪問強化に切り替えた。同社は戸建て住宅受注が1、2月に回復基調にあったとしており、水を差された格好だ。住友林業では、中国生産のトイレの部品やキッチンに納期遅れが出ており、一部引き渡し時期が遅れているという。大和ハウス工業も、中国で生産している住設機器等による分譲マンション事業への影響は出ていないが、動向を注視していくという姿勢だ。

 比較的影響が少ないと思われてきたオフィス需要にも警戒感が広がっている。オフィス需要を支えてきた一部の企業の採用意欲に陰りが見え始めているほか、テナントの業績への影響を心配する声が上がっている。開発資金回収の出口であるリートは、東証リート指数が急落し、先行きの不透明感が急速に増している。ただし、リート組成に携わる大手証券社員は「不動産の利回りが下がった訳ではなく、私募リートは値が動かないので、逆に組成が増える。また、外資も私募ファンドもあるので出口の心配はそれほどない」と指摘する。

 オリックスは、最近大手企業から同社のサービスオフィスを2カ月程度の短期で賃貸できないかという問い合わせを受けているという。BCPの一環と思われ、テナント企業も現実に感染者が出た場合の対応を視野に入れた動きが出始めている模様だ。

 影響が大きいのが商業系だ。「2月以降、ホテル出店の引き合いがほぼ止まった。請負の商談が進んでいた案件も、収束まで凍結したいというケースも出ている。更にテナントの飲食業やスポーツクラブなどの事業者の一部からは、賃料の減額交渉も受けている」(大和ハウス)という。

 不動産流通市場でも、価格下落を見越した動きが表面化し始めた模様だ。「不動産価格の下落を見越して、不動産を売り急ぐ人が増加し、売却査定の依頼が急増し始めた」(買取再販業者)、「売り客は急いで高く売却したいと思っているが、動きが鈍ってきた買い客との間でミスマッチが起きている」(不動産売買VC)など、売り圧力が高まっている。不動産テック企業によると、「3月は買い客が鈍り、物件見学数が減った。高額物件の値引き交渉がしやすくなっていて、大幅値引きもある。4月以降の見通しが立たず、見込み客を温めている」といった声が業者から上がっているという。

 コロナの影響が事業経済活動の広範囲に及び始めている。事態の収拾は困難が予想され、一層の警戒感が高まる。(編集部)

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