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賃料支援の新制度創設へ 2次補正、5月27日頃に編成 39県で緊急事態宣言解除 経済活動支援に重点

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会見する安倍総理(5月14日、専門新聞協会提供)
 4月7日に発令、同月16日に全国へと拡大された、新型コロナウイルス感染症対策特措法に基づく緊急事態宣言が、5月14日に39県で解除された。残る8都道府県についても、状況に応じて5月31日の期限を待たずに解除を検討する方針。長引く営業・外出等の自粛による経済の停滞は著しく、政府はテナント賃料支援策をはじめ、経済面の支援策の創設・拡充を打ち出している。

 安倍晋三内閣総理大臣は5月14日、北海道、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、京都府、大阪府、兵庫県の8都道府県を除く39県について、緊急事態宣言の解除を表明した。

 併せて、同宣言解除の基準も策定。直近1週間について、合計の新規感染発覚者数が人口10万人当たり0.5人以下であり、その前週と比較して新規感染発覚者が減少傾向にあることなどを条件とした。同月21日を目安に、この基準に照らして再度状況を判断し、残る8都道府県についても解除を検討する。

 一方で安倍総理は、「同宣言の解除後も、身の回りにウイルスは確実に存在する」と語り、「段階的な活動再開、テレワーク等の変化の継続、ウイルスへの警戒の継続」を国民に求めた。

新制度は与党案ベースか

 同感染症により、国内の大半の業種・事業者が苦境に陥っている上に、当面は本格的な事業活動の再開と需要の回復は見込めない。そこで安倍総理は同月14日の会見で、複数の経済支援策を行うと表明。その柱の一つが、「家賃負担を軽減するための給付金制度の創設」だ。

 事業環境が悪化し、テナント賃料の支払いが困難となっている中小事業者への支援策は、与野党共に関心が高く、議論の大きな焦点となっているテーマだ。野党は4月28日に合同で、政府系金融機関が賃料を一時的に肩代わりする趣旨の「賃料猶予法案」を国会に提出。また5月8日には、自由民主党と公明党がテナント賃料支援制度案を政府に提案している。

 同月14日現在、政府による新たな賃料支援制度の具体的な内容は明らかにされていないものの、与党案をベースとした制度設計が想定される。

 与党案の具体的な内容は、まずテナント側が既存の無利子・無担保融資等を利用して賃料に充て、実際に支払った賃料の3分の2を「家賃支援給付金(仮称)」として国が給付するという仕組み。上限は中小法人等が月額50万円、個人事業主が同25万円。総額は年内の半年分までとする。

 給付に当たっては、賃貸借契約書における賃料の金額や契約期間を参照し、実際の賃料支払いを確認した上で、複数月分を一括で給付。事後給付とすることで、オーナーへの確実な支払いを見込む。

 対象となるのは、売上高の前年比が単月で半減、または3カ月で30%以上減少した賃借事業者で、業種や地域の制限はない。持続化給付金(単月で半減)よりも基準を下げ、対象の幅を広げた。

自治体支援の拡充へ

 併せて、第1次補正予算(4月30日成立)でも設けられた「地方創生臨時交付金」を拡充し、既に独自の取り組みを行っている地方自治体を国として支援するよう提言。給付金の創設と共に、自民・公明両党の案を併記した形だ。

 更に「賃貸借契約の維持への取り組み強化」を提唱。賃料の不払いなどで、テナントの賃貸借契約解除や立ち退きを求める動きが広がれば、同感染症収束後の経済回復にも大きな悪影響が残る。そこでオーナーとテナントの双方に対し、「共助」としての信頼関係維持や誠実な賃料交渉などを促すよう政府に求めた。

 加えて、同感染症の影響による一定程度の賃料不払いは、最高裁判例による民法解釈で契約解除の要件となる「信頼関係の破壊」に当たらないとの見解を提示。よって「立ち退き請求等は認められないと考えられる」として、オーナーとテナントの双方に周知すべきとした。

全宅連は与党案に賛意

 この与党案に対し、全国宅地建物取引業協会連合会の坂本久会長が5月12日にコメント。「国の予算措置を前提としたテナントへの家賃補助制度の提案は大きな一歩で大変喜ばしい。特に当連合会が要望した『地方創生臨時交付金の拡充と地方自治体支援』が取り入れられたことは大きな成果」と賛意を示した。

 併せて「家賃補助分が確実にオーナーに渡る仕組みの構築を望む」として、不動産賃貸事業者の収益確保に期待を寄せた。

複数の経済対策を発表

 このほか安倍総理は同対策本部会議で、雇用調整助成金の上限を現在の約2倍へと引き上げ、労働者が直接申請して受け取れる新制度も創設すると発表。更に、感染防止措置など「新たな事業展開を応援する」最大150万円の補助金制度創設、アルバイト収入の減少した学生への支援等にも言及した。

 とはいえ、賃料支援策をはじめ広範な施策の早期実施に向けては、速やかな制度設計と財源の確保が欠かせない。

 安倍総理は、「直ちに2次補正予算の編成に着手し、制度の創設のための法案準備に取り掛かる」と表明。5月27日を目安に2次補正予算の概算を決定、その後国会に提出するという日程を示し、6月17日までの今国会における成立を目指す。

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