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社説 コロナで考えるマンション管理 ソフトの住み心地がカギに

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 新型コロナによる不動産市場への影響が注目されている。その一つに、マンションという居住形態についての議論がある。というのも、集合住宅という居住形態がどうしても〝3密〟を連想させるからだ。

 実際、03年にSARSが流行したときには、香港の高層マンションで集団感染が発生したという事例がある。そのため、日本でも一時「都心のタワーマンションの価値が暴落するのではないか」といった風評が立った。タワーマンションは外気に接していない廊下やエレベーターなどの共用部が密閉状態になるということが、その理由として挙げられていた。しかし、これまでに日本でタワーマンションの売れ行きがコロナで鈍ったという報告はない。確かに戸建て住宅と比べれば、マンションは〝密閉〟のイメージはあるが、廊下であれ、エレベーターであれ、換気やコロナウイルス専用の紫外線殺菌装置などもある。その点はオフィスと同じような条件下にあると言える。

 問題の本質は、オフィスビルであれ、住まいであれ、どの程度のコストを掛ければ、安全で(感染防止も含め)、快適な空間・居場所を確保することができるかということだろう。

 特に住まいは、外出自粛や在宅勤務が求められ、在宅時間が増えているため、その居住性、快適性が改めて求められることになった。つまり、住まいが単に仕事に向かう場、仕事を終えて帰る場という位置付けから、家族と過ごす場、心地よさを求められる場として見直されることになった。

 そこで気になるのは、昨今議論されている「マンション管理の見える化」の中では、住まいとしての安らぎや心地よさといった評価項目があまり重視されていない点だ。例えばコミュニティの熟成度や住民のセキュリティなど防犯意識の高さ、緑豊かな植栽を大切に思う価値観の共有、ランドスケープにおける自然との共存性などを評価項目として増やしてもよいのではないか。

 今回のコロナを機に集合住宅であるマンションの評価が下がるという見方はあまりに表層的だ。むしろ、〝新たな日常〟では、人々の生活スタイルや価値観が多様化する。そのように多様な価値観を持つ人たちを包含する大都市「東京」への評価はほとんど変わらないだろう。ただ、コロナは住まいに対する評価を設備や機能面だけでは捉えきれない精神的充足度も重視するようになった。

 マンションストックを巡っては、建物の老朽化と居住者の高齢化といういわゆる〝2つの老い〟問題がある。しかし、生活スタイルや価値観が多様化する今こそ、築年数や地理的立地を超えた〝住み心地〟というソフトに照準を合わせれば、若い世代を呼び込み、魅力的なマンションに生まれ変わる可能性がある。そこに、〝2つの老い〟問題を克服するヒントが見えてくる。

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