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首都圏・秋の賃貸住宅市況 更新基調も進む〝多様な住まい方〟 テレワークで郊外・戸建て需要 

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今年、「コロナ禍での借りて住みたい街ランキング」で1位を獲得した小田急小田原線本厚木駅(神奈川県)。北口駅前広場では住人や通勤客の往来が目立った
 20年春の賃貸住宅市況は、新型コロナの感染拡大時期と重なった。法人や学生の入居延期、契約見送りが増加し、不動産会社は日々の営業活動でも感染拡大防止を含めた行動変容が求められた。ポータルサイト各社によると、外出自粛要請の解除以降、法人需要は回復基調にあるという中、秋はユーザーの住まい方の多様化が進んだ。新たなニーズの芽を発見し、今後どのように育てていけるだろうか。(6面に関連記事)

 不動産情報サービスのアットホーム(鶴森康史社長)が地場の不動産仲介業者に四半期ごとに実施する景況感調査によると、首都圏における4~6月期の賃貸仲介の業況DIは25.9となり、調査開始以来の最低値を記録した。外出自粛要請による入居の延期、法人客の減少など、春の繁忙期後の需要の喪失が背景にある。

 同様に7~9月期(首都圏・賃貸仲介)の業況DIは34.9と大幅に回復したが、「十分な水準とはいえない」と同調査を分析するアットホームラボ(株)の磐前淳子氏(データマーケティング部長)。磐前氏は回復要因として、「春の住み替えを見送った層の動き」「経済活動の再開」「戸建て・郊外需要の増加」を挙げる。一方で、回復が低位にとどまったのは「新規入居の減少」「オンライン授業やテレワークなどで学生や社会人が退去や帰省した」「法人の転勤減少が加速」「新規客、更新客共に値下げ交渉の増加」などが影響したと見る。

 アットホームが大手と地場の管理会社にヒアリングした結果でも、8~9月の入居率は高水準を維持しており、新たな住み替えの動きよりも、「更新継続」の情勢がうかがえる。だが、ユーザーの所得の低下や雇用不安などを背景に、積極的に住み替えができる層は限定的と見る不動産会社もある。管理会社側も引き続き高入居率を維持できるかどうか、先行きについては注視する姿勢を示している。

より安く、より快適に

 コロナ禍の賃貸市場では消費者ニーズも変化した。賃貸物件契約者の行動実態やニーズの把握を目的とした賃貸契約者動向調査を実施しているリクルート住まいカンパニー、「SUUMO」編集長の池本洋一氏は、(1)オンライン接客対応、(2)管理会社のクレーム対応、(3)ワークスペース需要を挙げる。非対面接客のニーズの高まりに加え、在宅勤務・テレワークの急拡大により、近隣の騒音トラブルへの対応や自宅内における働く場づくりが課題となった。

 テレワークの普及が都心から郊外への転居を後押しする動きも顕著だ。10月27日に総務省が発表した9月の人口移動報告によると、東京都からの転出者(3万644人)の数が都への転入者(2万7006人)を上回り、3カ月連続で転出超過となった。ライフル(井上高志社長)が実際の問い合わせ数から算出した「コロナ禍での借りて住みたい街ランキング」でも、小田急小田原線の本厚木駅が1位に輝いたほか、首都圏郊外部の問い合わせが増加するなど「脱・都心」「郊外拡散」の動きが全国ニュースで注目を集めた。アットホームラボの磐前氏は、「月に数回出社する『通勤+在宅勤務』の働き方によって、都心に通える郊外が人気。神奈川県の湘南や千葉県の外房などの需要が増加している」と指摘する。

 「住宅新報」が独自に調査している秋の家賃調査でも、地場の不動産会社からは「都心に電車1本で通える上、同じ賃料でより広い部屋を借りられる。海が近いという土地柄も人気」(JR東海道線藤沢駅)、「秋は物件が動き、人の流入が増えた」(京浜急行横須賀中央駅)など、都心部から郊外部への人の動きを実感する声が聞かれた。

マンション家賃 70㎡超は各地で最高値更新も 23区シングル向けは下落続く

 賃料の動向はどうか。アットホームの不動産情報ネットワークに登録・公開された、20年9月の居住用賃貸の募集家賃動向によると、1都3県は9月も賃料水準が高く、マンション・アパート共におおむね前年同月比を上回る結果となった。特に同社が大型ファミリー向けと定義する70㎡超のマンションの募集家賃は上昇が続き、東京23区(9月の平均家賃34万6603円)と千葉県(同12万9619円)でそれぞれ4カ月連続、神奈川県(同17万9863円)では7カ月連続で過去最高値を更新した。

 「より広く快適に」「一部屋プラス」のニーズの高まりが、戸建て需要につながっているともいう。「不動産情報サイト アットホーム」の首都圏における20年8月の反響数は、賃貸マンションが前年同月比約30%増、賃貸アパートが同30%増、貸戸建てが同60%増となり、戸建ての反響の伸び率が大きく、関心の高さがうかがえる。

 一方、東京23区では、アパートが全面積帯で最高値を更新したのに対し、マンションはシングル向け(30㎡以下)で3カ月連続の下落。磐前氏はこれまではっきりと上昇してきたシングル向けマンションの動向に注視が必要と指摘。「コロナ禍において、賃料負担を抑えるための住み替え、在宅時間をグレードアップするための住み替えという二極化が見られたが、中間層の動きは止まった。客単価の上昇や都心の高額物件がよく成約するといった声も聞く」と述べ、エリア差、物件差が進んでいる状況を指摘する。

〝寄り添う力〟重要に

 住まい探しにおいては業界全体のDX化も加速した。ビデオ内見やIT重説の利用に加え、オンライン上で物件リサーチを強化し、来店機会や来店時間を減らそうとするユーザーの動きを不動産事業者は実感したのではないか。 アットホームが提供する「スマート申込」(賃貸の入居申し込みと受付業務をウェブで完結するITサービス)の利用会社数は6月から10月にかけて倍増したといい、少数精鋭で賃貸管理業を営む不動産会社など、地場の事業者にまで広がってきたという。

 磐前氏は、「ユーザーの住まい方が多様化する中、不動産会社にはニーズを聞き取り、顧客に寄り添う力が一層求められる」と指摘する。例えば、自然災害の脅威が身近となる昨今、重要事項説明時のハザード情報の説明にとどまらず、住まい探しの段階でユーザーの納得感が得られる案内ができるか。周辺の安全面や生活面を含めて、入居者がその街で生活するイメージを描けるような接客が実現できるか。顧客に寄り添う力の強化が、今後の不動産事業者に求められている。

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