社説 住宅・不動産業とSDGs 持続可能な社会へのけん引役に

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 「持続可能な社会の実現」を目指すSDGs(サスティナブル・デベロップメント・ゴールズ=持続可能な開発目標)が、住宅・不動産業界でも広がり始めている。「人間、地球及び繁栄のための行動計画」として国連が15年に宣言したSDGsは、17の目標と関連する169の具体的ターゲットが定められている。官民、公私の分け隔てなく目標達成のための取り組みへ参画を求めたものだ。

 取り組むべき諸課題は多岐にわたる。貧困や格差、環境問題、災害、疾病といった地球規模のものから、国内では少子高齢化、過疎化、雇用不安や年金問題、所有者不明土地、空き家急増など地域社会に暗い影を落とすものまでと幅広い。目標の一つには住宅・不動産業の目指す方向と一致する「住み続けられるまちづくり」が掲げられている。ほか16の目標も企業経営、事業継続、社会貢献といった面で親和性のあるものが多い。

 住宅・不動産大手がSDGs推進で先行する一方で、中小事業者も多岐にわたる問題のいくつかを身近な問題として受け止め、危機感や問題意識が高まってきたことが広がりの背景にある。自らの企業経営や事業活動とSDGsの目標とを重ね合わせた取り組みが増えており、本紙もそうした事例を紹介する連載をスタートした。

 断熱化が遅れている中古マンションの省エネリノベーションを通じて7つの目標達成を目指す再販会社もあれば、女性社員の活躍と働きやすさの向上に取り組みジェンダー平等を推進するディベロッパーがいる。賃貸併用住宅商品が県の普及促進事業である「かながわSDGsパートナー」に登録された住宅会社もあった。

 住宅不足に始まった戦後を振り返ると、耐震・防火・防災性能の向上、環境共生、バリアフリー、建築物の省エネ・ゼロエネ化、リユース・リサイクル、住宅セーフティネット、みなし仮設住宅など数多くの取り組みが官民を挙げて積み重ねられてきた。生活者目線に長(た)けた女性活躍の機会もこの業界ならではの広がりを見せる。地域社会に目を落とせば、まちの清掃活動や違反広告のパトロールなどもあり「住みよいまちづくり」の一環でもある。まさに地域社会や生活者の要請に応えてきたことそのものが住宅・不動産業といっても過言ではない。

 少子化や高齢化に直面し、国民が将来不安を抱いている日本社会において、SDGsと多くの目標を共有する住宅・不動産業の役割はますます高まっていくことは明らかだ。2030年まではSDGsの「行動の10年」とされており、〝住宅・不動産業発SDGs〟が一層活発化することを期待したい。「持続可能な社会」に近づくことで事業の成長発展が期待できると共に、新しいビジネスやサービスの芽が生まれる可能性も秘めている。とりわけ住宅・不動産業が活躍できるフィールドは限りなく広い。

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