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〈基準地価〉福岡の商業地 上昇率トップ 投資マネー引き寄せ 基盤整備が経済を底上げ 観光に依存しない街づくりで

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 都道府県地価調査(基準地価)は、全国全用途の平均が2年連続で下落し、新型コロナウイルス感染拡大の影響を映し出した。(1~3面に関連記事)

 緊急事態宣言が断続的に発令され、社会・経済の正常化が見通せない中で、とりわけ国内外の観光需要に頼っていたエリアを中心に下落幅が拡大し、地価動向はコロナ前とは様変わり。ただ、そうした中でも投資マネーを引きつけているエリアとして福岡県が異彩を放っている。

 東アジア訪日客の玄関口として取り込んできた観光需要がコロナ禍で消滅したとはいえ、博多駅周辺の再開発計画や地下鉄七隈線延伸計画などが不動産需要を支えている。福岡市の住宅地は4.4%、商業地が7.7%の上昇幅を見せて、それぞれ前年から0.9ポイント、0.2ポイント上がっている。先行きに予断を許さないコロナ下にあっても、三大都市圏を寄せ付けない強さを見せつける。

 福岡市と筑紫野市や春日市など周辺への人口流入を背景に住宅地の需要が旺盛だ。

 東京カンテイ市場調査部の高橋雅之・主任研究員は、「福岡市内が強い。三大都市圏とは違う。人口の流れを見ても周辺から就労・就学のために移り住み、コロナ下でも住宅ニーズが剝がれ落ちていない。福岡市はすべての行政区が上昇するなど、そのニーズを受けきれずに周辺都市でも4~5%の高い上昇率を示した。全国的に見てもやや稀有なエリアとなっている」と話す。賃貸マンションの引き合いも強い。

8地点がランクイン

 市中心部への交通利便性のよい地域や再開発で生活利便性が向上した地域を中心に地価が上がっている。国土交通省は、開発事業者や投資ファンドによるオフィスビル需要が地価を押し上げたとする。 商業地を見ると、全国の変動率トップ10(別表参照)に8地点がランクインしている。全国変動率トップの「博多蔵本ビル」は15.8%上昇した。特に二大プロジェクトが進行する博多地区と天神地区を中心とするエリアのオフィス需要が底堅い。

 福岡市主導の「天神ビッグバン」は、天神交差点から半径500メートル・約80ヘクタールを対象に進めているもので、2024年までの10年間で30棟のビルの建て替えを誘導し、新たな空間と雇用を創出する。年間8500億円の経済波及効果を想定。建物の延べ床面積は75.7万m2と従来の約1.7倍となり、雇用も約2.4倍の9万7100人を見込んでいる。「博多コネクティット」では地下鉄七隈線延伸やはかた駅前通り再整備など交通基盤整備の拡充と併せて20棟のビル建て替えを進める。街が生まれ変わる勢いが人・モノ・金を引き寄せている。

 「国内外の観光客だけでなく、地域経済を底上げするインフラ・都市整備を抱えていることが商業地の地価を底上げしている」(前出の高橋氏)と観光一辺倒ではない街のポテンシャルの引き上げがコロナ禍でまれな地価の上昇を演出する。ジョーンズラングラサール(JLL)は、「現在進行形で進んでいる福岡の発展は投資家にとって魅力的で今後の成長性が期待される」という。飲食・サービスやホテル・旅館など宿泊業界は福岡でも弱いものの、アフターコロナを見据えての将来性を踏まえて投資マネーが入りやすい好循環となっている。

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