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暮らしを創る賃貸(下) 若者の夢がかなう市場へ

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大東建託の木造4階建て賃貸(22年2月上棟時)

 「賃貸住宅は最初に出合う不動産」とよく言われる。若者が親元から離れて初めて一人暮らしをする場合、多くがアパート暮らしとなるからだ。「マイホームは人生最大の買い物」という表現もしばしば聞かれる。一方、賃貸でも「その月の最大の買い物」だ。大きな買い物である家賃を毎月払い続けてくれる入居者がいるからこそ賃貸住宅経営が成り立っている。そういった当たり前の認識が、賃貸住宅市場と賃貸オーナーには薄いのではないか。その証拠に業界には、お礼を伝えるなど家賃支払いに感謝する慣習がない。

 日本賃貸住宅管理協会の塩見紀昭会長はよく講演でこう指摘する。「オーナーにとって家賃は寝ていても旅行をしていても入ってくるありがたいお金。我々(管理会社)がコロナ下でも安定した管理料をいただくことができるのは、その家賃を払ってくださる入居者の方々がいればこそ」。

入居者を思う

 入居者にもっと目を向けると、賃貸住宅業界は更に活性化する。経営破綻した「かぼちゃの馬車」の被害オーナーが所有していた1000物件超を取得した米国投資ファンドによる新ブランドでの再生が今春始まったが、その運営パートナーになった三好不動産の三好修社長は次のように話す。「地方から東京にやって来る若者が夢をかなえるまでの仮住まいがコンセプト。家賃を相場よりも抑えることで彼らの生活を支援したい。また、DVなどの被害から緊急避難したいという人もいる。そうした〝居住支援〟という役割もこれからの賃貸住宅には必要だと考える」。

コロナ後も加速

 コロナ後の賃貸住宅市場がどうなるかの関心も高まっている。アットホームラボの磐前淳子データマーケティング部長は、「最近は単身者でも複数の間取りを希望する。仕事とプライベートを過ごす部屋を分ける傾向が強い」と話す。つまり分譲、賃貸にかかわらず、コロナが住まいの快適性に意識を向けさせたことは確かで、その傾向は元には戻らないだろう。近年、共用施設としてワークスペースを設ける賃貸住宅が増えているのも、そうした暮らしを快適にしたいという入居者ニーズに応えるものだ。

新たな価値観

 テレワーク用のスペースやインターネット環境など設備面の充実による快適性が一巡すると、その先に求められるものは賃貸での「新たな暮らし(価値観)創造」だ。分譲という高額な資金と大きな決断を必要とする住まいでは実現が難しくても、賃貸であれば若者も〝自分らしい暮らし〟をかなえることができる。

 大東建託は7月末、千葉県船橋市でオリジナルCLT工法を活用した4階建て木造賃貸住宅「フォルターブ」を完成させる。地球温暖化など環境問題が深刻化する中、環境問題に貢献できる賃貸住宅にしたいという施主の思いを受け、「フォルターブ」シリーズの第1号となった。既に半数以上の住戸が入居申し込み済み。その人たちが同様の価値観を持っていることも想定され、同社では今後ヒアリングをしていく予定だ。

 これからの住まい選びには、仕事や趣味など自分のことだけでなく、社会や環境など、より大きなもののために貢献したいという気持ちも大きな要素になってくるのではないか。それが新たな価値観に基づく暮らし創造につながっていく。 (井川弘子)

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