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社説 住宅・不動産に多様なリスク 経験と知恵が資産価値を守る

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 国民の生活基盤であると同時に大事な資産であり、近年は社会的な財としても見なされるようになった住宅・不動産だが、資産デフレに加え最近は資産劣化というリスクにもさらされ始めている。劣化の要因も多様化しつつあり、これまでは一部富裕層の悩み事だった資産の維持、運用は中間所得層にとっても身近なテーマとなってきた。多くの消費者の資産を守るために果たす、住宅・不動産のプロの役割はますます大きくなる。

尾を引く地価下落

 住宅の資産価値の維持が今、改めて大きな課題となっている。90年代のバブル崩壊以降、長く続いた地価下落に伴う資産デフレが未だ尾を引いているためだ。当時、住宅ローンの完済に至らない間に、購入した住宅の価格が値下がりする厳しい現実に多くの国民が直面した。この〝失われた20年〟の間に、株と不動産を合わせて1500兆円もの国民資産が消失したとも言われている。

 日本経済の成長力の低下と共に、その後も地価はじりじりと値下がりを続ける。14年地価公示も、下げ幅は縮まったものの、全国平均では住宅地0.6%下落、商業地0.5%下落とそれぞれ下落が続いた。アベノミクス効果の恩恵を受けることができた大都市圏に限っては反転上昇したが、それを除く地方圏は依然として下落基調が続いており、本格的な資産デフレ脱却への道筋は見えない。

空き家や孤独死も

 資産の劣化を招く要因は、このような地価下落にとどまらない。社会問題化してきた空き家や建物の老朽化も資産価値の下落を招く。放置された住宅・不動産がひとたび事件や事故に関わりがあるとなれば、資産価値の低下は明らかだ。自殺や孤独死などの増加も、社会問題化している。不幸にもそうした現場となった住宅・不動産の価値は著しく損なわれてしまう。こうした小さな傷口はやがて、街やコミュニティーの荒廃をも招きかねない不安材料とも言える。

 一方、少子高齢化や人口減少といった社会構造の変化や出口の見えない日本の厳しい財政事情も追い打ちをかける。消費税の増税や相続課税枠の拡大など住宅・不動産に係る税負担はこの先、更に重く、そしてより多くの消費者にのしかかってくると見込まれる。

 この先、住宅・不動産の資産価値を安定的に維持、運用していく環境はますます厳しさを増していくと言わざるを得ない。そうした中で、自治体や住宅・不動産業界では、増える1人暮らし高齢者の住まいを見回るサービスや、空き家を管理するビジネスなど草の根的な動きが出始めている。資産劣化にさらされ始めた国民の住宅・不動産をどのように価値あるものとして生かしていくのか、プロの豊富な経験と知恵が求められる。

 

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