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社説 賃貸住宅管理業法への期待 市場の変革担う経営管理士

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 昨年6月に可決成立した賃貸住宅管理業法は今年6月の一般管理業者に対する登録義務制度(200戸以上)のスタートで全面施行となる。一足早く昨年12月に施行されたサブリース事業に関する部分は罰則付きの規制事項一色だが、一般管理業者の登録制度は賃貸住宅業界にとっては念願だった法制化がかなったものであり、未来への希望が感じられる。

 日本の賃貸住宅業界は、この登録制度施行を機に大きく飛躍するものと期待する。賃貸仲介と管理業務が法律によって明確に分離されたということは、それぞれが独立した存在意義のもと、顧客志向に立ってサービス向上を図ることができるからである。もちろん、業界の実態としては仲介業者がその管理も請け負う形態が大勢を占めているが、そこには後述するような大きなメリットがある。

 さて、ストック時代を迎え、わが国の不動産市場においても管理の質が物件価値を定める大切な要素になりつつある。したがってそのフィーについても、今後は価値向上に成功した場合には、それに応じた報酬制度としてもよいのではないか。

 改めて思うに、賃貸住宅にあって分譲マンションにない魅力とはなんだろうか。それが明確になってこそ、賃貸住宅は〝持ち家に移るまでの仮住まい〟という屈辱的地位を脱却することができる。

 賃貸住宅の本質はオーナーがいるということだから、そこにメリット(魅力)を見いだしてこそ、本物の強みとなる。

 しかし、わが国の借地借家法は正当事由制度など借家人保護の思想がいまだに強いため、今日に至るまで大家と借家人は対立関係の色彩を残したままだ。賃貸住宅管理業法の全面施行を機に、そうした非近代的で不幸な関係を解消し、両者間の理解を促進しなければならない。

 その大事な社会的使命を担うことになるのが「賃貸不動産経営管理士」である。管理士は入居者の暮らしに対する要望をオーナーに伝え、入居者にはときにはオーナーが抱える事情(老朽化による建て替えの必要性など)を伝え、相互理解を図る必要がある。そのためには家賃相場や入居者のニーズを熟知し、同時に賃貸住経営者としてのオーナーの立場も理解していなければならない。

 入居者のあっせん業務を行いつつ、管理業務も請け負っている日本的な実態の意義がそこにある。つまり、賃貸不動産経営管理士の役割は、オーナーと入居者との関係を円滑化し、共存共栄を図ることであるということができる。サブリース方式の今日的意義(賃貸市場の競争激化)は認めるが、オーナーと入居者の距離は遠のく。オーナーと入居者は日頃の交流を通して信頼関係を確立してこそ、トラブルのない健全な賃貸市場が生まれると考えるのは近代化を唱える立場としては〝浪花節〟過ぎるだろうか。

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