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社説 コロナ2度目の春 国民目線で気付くべきこと

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 新型コロナウイルス感染症への対応策として初の緊急事態宣言が発令されたのは昨年4月7日だった。それから1年が経過するが、未だに感染を抑え込むことはできず、2度目の春を迎えた。この間、住宅・不動産業界としても多くの行動変容を迫られてきたが、「人々の生活を支える暮らしの基盤となる住宅」(和田信貴国土交通省住宅局長)を提供する業界として、コロナから学ぶべきこと、気付くべきこととして見落としている点はないのだろうか。

 住宅金融支援機構は3月10日、報道陣向けのセミナーを開いた。その中で、コロナの影響で住宅ローンの返済が困難となった場合の返済方法の変更メニューについて説明した。それによると最も利用されているのが「中ゆとり」タイプで、これは一定期間だけ毎月の返済額を減額し減額期間終了後に増額するというものだ。それで対応しきれる人が多いとすれば、感染症による所得減少の影響がまだ限定的だからだろう。しかし、将来的にはどうか。甚大な自然災害が毎年のように発生し、最悪のケースとして感染症との複合被害も想定される時代だ。住宅ローンのあり方について根本的に見直すべきときではないだろうか。

 例えば、同機構が「リ・バース60」に採用して人気を集めている「ノンリコース型」を一般の住宅ローンにも取り入れることはできないか、自動車販売の「残価設定型ローン」のような仕組みを住宅ローンに応用できないかなどは、重要な研究テーマと思われる。

 一方、コロナはテレワークなど働き方改革を加速し、住まい方の多様化を促し始めた。今後は必ずしも所有にはこだわらず、二地域居住やワーケーションなど新たなライフスタイルを模索する動きが本格化してくることが予想される。不動産業界としても今まで以上に、賃貸住宅を多様なライフスタイルを支える社会インフラとして捉えることが必要ではないか。

 長期住宅ローンの大前提となっていたのは年功序列・終身雇用制度だが、加速しつつある働き方改革の流れの中では崩れていくことも想定される。そう考えると、住宅・不動産業界に求められる気付きは「住宅ローンの抜本的見直し」と、所有にこだわらない多様な住まい方を支える「賃貸住宅市場の変革」と言えるのではないか。

 折しも、今年6月には「賃貸住宅管理業法」が全面施行されることなどもあり、「新しい賃貸住宅市場の幕開け」との期待が高まっている。中でも「賃貸不動産経営管理士」という新たな国家資格者の登場に期待が集まる。コロナ禍では医師や感染症研究者など専門家と言われる人たちが数多くメディアに登場し、改めて専門家が果たす役割の重要性が認識された。同管理士にも、これからの賃貸住宅のあるべき姿を見据えて、豊かな住生活実現に向けた一翼を担う覚悟と責務が求められている。

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