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社説 深刻度増す「ウッドショック」 新築・中古流通で内需刺激を

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 住宅の梁(はり)に使われる木材価格が13年ぶりに高騰している。集成平角材の価格が1カ月で16%も上がったが、米国と中国に世界中から木材が集まっているためだ。日本の住宅は輸入木材に頼っているため、低価格で注文住宅を展開するパワービルダーと呼ばれる住宅ビルダーと、地域で分譲戸建て住宅を供給する不動産会社に影響が及ぶ。6月にもこの影響は一般消費者にも分かるレベルに表面化すると言われており、今後は住宅価格の上昇や住宅供給の遅れが懸念されている。こうした一連の事態を「ウッドショック」と呼ぶ。過去にも90年と06年の2度「ウッドショック」は起こっているが、その深刻度は比較にならないと発言する業界関係者もいる。

 今回の「ウッドショック」の発生には、新型コロナが深く関わっているが、深刻度が増している要因は主に3つある。まず、1つ目が歴史的な低金利で米国の住宅市場が活況なことだ。米国では在宅勤務に伴う郊外戸建てブームが起き、木材需要が急増した結果、木材価格が急上昇している。2つ目が中国による木材の高値買い付けだ。中国経済は新型コロナからいち早く回復したことで、高値で木材を買い付けており、日本は中国に買い負けるようになった。3つ目が日本に木材を輸送する手段がないという点だ。新型コロナによるロックダウンで海運業に携わる港の労働者が減少したため、コンテナが世界中の港に滞留することになり、世界的なコンテナ不足となった。そこで、米国と中国が世界中の港でコンテナの確保に走った結果、両国へコンテナが集中。日本は木材を国内に輸送する手段がない状態となった。

 業界関係者によれば、今回の「ウッドショック」は先が見えないと言う。新型コロナの収束が見えないことに加え、日本の経済的な地位の低下が大きく影響している。日本は住宅着工戸数が低下し、長期的に需要量が減少する一方、中国が大量に木材を買い付けるようになった。その結果、日本は木材を確保しにくくなった。ここ20年間、他の国のGDPが成長する中で日本のみがGDP成長率がほぼ横ばいとなり、相対的に日本の経済的な地位は低下。国内で安定的に木造住宅を建てることもままならなくなりつつある。

 「ウッドショック」の克服には、国産材の安定供給の仕組み構築に本気で取り組むことが必要だろう。新型コロナで世界的なサプライチェーン見直しが迫られる中、国産材活用ルートの整備、拡大は急務と言える。同時に、内需拡大に注力し、日本経済の底上げを図るべきだ。新型コロナにより国民の住まいへの意識は変化しつつある。コロナを奇貨とした新たな住まいへの需要も生まれており、住宅・不動産市場拡大の新たな可能性を秘めている。新たな新築需要と中古流通を内需の両輪とした政策や税制に舵を切るべきときだ。

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