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社説 賃貸管理業、差別化時代 「家族信託」もツールの1つに

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 賃貸住宅管理業法が6月15日に全面施行され、管理戸数200戸以上の業者には国土交通省への登録が義務化されることになった。これにより、賃貸管理業の差別化が始まるとの見方が一般的だが、管理戸数の多寡で会社の優劣が決まるわけではないし、仮にそれがあったとしても登録自体は登録業者間の差別化にはなり得ない。ポイントはこの法律の施行を機に、各管理会社がオーナーや入居者の間に立ち、どのようなサービスを展開できるかだろう。特に昨今は超高齢社会を迎え、オーナーに対するサービスとしては単に委託されている賃貸アパート・マンションの管理にとどまるのではなく、オーナー家族の円満な資産承継(相続)のためのコンサルティング能力の有無なども注目されるようになってきた。最近では管理会社の担当者が、オーナーやその家族から家族信託の活用法を相談されるケースが増えているという。長寿化で、アパートなどの資産を持つ親の認知症を心配するケースが出ているのだろう。実際、不動産管理会社がオーナーなどの顧客に対し、家族信託を活用した資産管理を提案できるようにサポートするサービスを始めた企業も登場している。その会社が実施する研修で家族信託に対する知識を一通り身に付け、信託契約の段階に至れば、提携している一般社団法人家族信託普及協会に所属する専門家を派遣するというものだ。

 家族信託普及協会の活動などもあって、家族信託という手法には、(1)認知症による資産凍結防止、(2)二次相続以降の資産承継者も指定可能、(3)将来の不動産共有化を回避など多彩な機能があることなどが世の中に知られ始めている。また、家族信託の手法を使い、複数の地権者がその権利を受託者である社団法人に委託して再開発を円滑化する事例なども出始めている(本紙6月8日号6面)。

 本紙ではこれまでにも、地域に根差した中堅不動産会社が独自に家族信託の普及に努めていることなどを報じてきたが、地域密着型の不動産管理会社が本格的に家族信託に乗り出す時代が来たのではないか。そうは言っても、家族信託普及協会の役員には司法書士や弁護士、税理士などが名を連ねていることからも、不動産会社の中には「敷居が高い」と敬遠する向きがあるのも事実。しかし、同協会代表理事で司法書士の宮田浩志氏は「家族信託は不動産との相性がよい」として、不動産会社の参入があってこそ家族信託の普及に弾みがつくと期待を寄せる。

 宅地建物取引士はもちろん、今回の賃貸住宅管理業法によって国家資格としてスタートすることになった賃貸不動産経営管理士も「士業」だ。先輩士業同様に幅広い知識やスキルを磨いて業界の社会的ステータス向上に努めなければならない。家族信託の提案力を身に付けることは、その一環であり、時代のニーズには常に敏感であることが求められる。

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