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社説 五輪選手村「ハルミフラッグ」 「青田売り」の〝次〟考えるきっかけに

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 東京オリンピックの開幕式が10日後に迫った。五輪開催に伴い、選手村を改修して新築分譲マンションとして供給する「HARUMI FLAG(ハルミフラッグ)」の第2期販売が今秋にもスタートすることになった。8月下旬には、新型コロナで閉鎖していたパビリオンが感染対策などを行って再開される予定だが、東京への4回目となる緊急事態宣言の発令で再開時期に不透明感が増している。新築マンションにおいて約1年間、まったく販売活動ができない事態は五輪という特異な状況とはいえ、マンションの一般的な販売方法である「青田売り」の事業者側のリスクを改めて認識させるものとなった。

 建物完成前に販売する「青田売り」は、日本独自のシステムであり、過去にも何度か問題視されることがあった。数年前には施工不良により「青田売り」が消費者の不信を買い、竣工した物件を販売する、中古マンションの販売方法である「現物売り」に注目が集まったこともあった。このように「青田売り」の見直し論が出た時期もあったが、「現物売り」は定着していない。「現物売り」は、間取り変更ができないなど消費者にとってのデメリットがあるほか、他社が「青田売り」をする中で「現物売り」は売れ残りのイメージを与えるためだ。早期資金回収という事業者側のメリットもあり、一般にも定着している「青田売り」を見直す機運はない。ただ、ここへ来て変化の兆しもある。

 ひとつは、中古マンション流通量が増加していることだ。20年の首都圏マンション販売は、約6割を中古が占めるようになった。そして、もう1つは国を挙げての脱炭素化の流れだ。政府は、50年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにすることを表明し、住宅・不動産分野では、その対応策として新築マンションのZEH化が浮上。今後供給するマンションを原則ZEH化すると表明するディベロッパーもある。ZEHマンションを供給した中堅ディベロッパーは、「現物売り」にしたことで消費者がZEHの効果を体感し、販売促進につながったと言う。

 新築マンションの販売方法として「青田売り」のみという状況は、健全な状況とは言えない。過去に様々な問題点が指摘され、改善されてきてはいるものの、本質的な問題やリスクははらんだままだからだ。新築マンションは消費者の〝夢〟を販売している面があり、それが「青田売り」を支えてきた。だが、リスクを内包したまま、それに頼るのはいかがなものか。

 実際に現物を見たいと希望する消費者は増えており、最近、ある事業者は現物を体感できるモデルルームがあるからこそ新築マンションは売れると指摘した。「青田売り」のみに頼らない、「現物売り」の良さも取り入れた、〝次〟の販売方法を本気で考える必要がある。

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