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社説 20年迎えたJリートの課題 個人の資産形成に貢献できるか

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 Jリートは今年9月で創設20年という節目を迎える。スタート時は2銘柄だったが、現在は62銘柄が東京証券取引所に上場し、時価総額は20兆円に迫る勢いだ。全銘柄の値動きを示す東証リート指数は今年8月26日時点で2116(03年3月31日=1000)であり、スタート時に比べて2倍以上に上昇し、順調な成長を遂げている。ただ、この20年の間には同指数の最高値が2500を超え、最安値は1000を下回った時期もあり、価格の変動幅は株式市場とあまり変わらない。

 今年前半の東証リート指数は日経平均株価を大きく上回る好調ぶりとなっているが、それは外国人投資家の買い越しが主な要因であり、外国人が手を引くと一気に下落に転じる可能性もある。

 では、今後、Jリート市場が持続的に成長していくための課題は何だろうか。もともとJリートは株式とは違い、景気動向にあまり左右されない不動産を組み入れた投資信託をつくることで、国民が資産形成のために長期保有しやすい投資商品とすることも大きな狙いとしていた。

 以前、日本は老後に平均2000万円も生活資金が不足するという試算結果が話題になったが、個人の金融資産の大半が預金であり、現在の超低金利下では預金による資産形成は絶望的な状況だ。だからといって預金に代わる安定的な資産形成手段が提供されている状況でもない。近年、若い世代の不動産投資熱が高まっているのもそうした理由があるのだろう。ただ、個人が実物不動産に直接投資するのはリスクやハードルが高い。その点、Jリートは運用のプロが収益性の見込める都心のオフィスビルや賃貸マンションに投資し、その収益を投資家に分配する投資商品であり、個人の資産形成手段としての成長が期待されるのは当然だろう。ただ、現在の主な投資家は外国人や金融機関で、個人投資家の所有割合は小さい。

 今後、個人投資家にとって魅力あるJリート市場にするためにはどうすればよいだろうか。例えば、経済成長が期待される海外の不動産をもっと投資対象としていくことが必要ではないか。日本国内は今後、人口減少、高齢化のリスクを抱えているので、長期投資に不安がないとは言えないからだ。また、国内の地方リートを育成する視点も大切だ。東京一極集中の見直し機運が高まる中、先般上場した東海道リートのような地方都市の不動産に重点投資するリートを育成すべきではないか。リートがその地方の物件を積極的に取得することで、地方の経済活性化を促すことができる。投資市場安定化の大前提となる日本経済の持続的成長の意味でも、東京一極集中のようなこれまでの枠組みにとらわれない新しい発想が求められているはずだ。個人が安心して投資できる市場にするには以上のことが必要となる。

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