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社説 延長議論に終わった住宅・不動産税制 次代に向けた新たな税制議論を

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 12月10日に、与党による税制改正大綱がまとまった。住宅・不動産業界の関心が高かった住宅ローン減税の延長と固定資産税の負担軽減措置については、おおむね認められ、関係団体も満足のいく内容という評価だった。今回の税制改正大綱は、一言で言えば現状を大きく変えないということに尽きるだろう。多くの報道でも、これからの日本経済の方向性を示すものに乏しいという評価が多いのも納得がいく。住宅・不動産業界に関連する税制も延長項目がほとんどで、今後の住宅・不動産税制のあり方を見直すことにつながるような内容ではなかった。

 住宅ローン減税に関しては、今後の住宅取得支援の方向性を垣間見ることができた。長期優良住宅や低炭素住宅、ZEHといった環境性能が高い住宅の取得を支援する方針を明確に示したことだ。ただ、持ち家取得支援のあり方を今後どうしていくのかといった踏み込んだ議論にまでは発展していない。

 12月14日号の「大言小語」でも触れたように、賃貸住宅に対する新たな税制も含め、住宅ストックを活用する新しい時代の持ち家取得支援を示していくべきだろう。一般国民が新築・既存住宅を問わず質の高い住宅を取得するには、どのような税制がふさわしいのか、今後税率アップが見込まれる消費税の住宅・不動産における負担についての議論も必要だ。

 一方、固定資産税については、残念ながらこういった方向性は見えてこない。与党内の議論の中で、地方自治体の重要財源である固定資産税の軽減措置をすべきではないという意見も根強く、結果的に商業地などで税額上昇分を半減するという内容に落ち着いた。固定資産税が地方自治体の重要財源である以上、人口が減少する中で、地方自治体自身が固定資産税の税率低下を弾力的に運営できるようにするなど、地方が戦略的に税制を使えるような議論を早急にすべきだろう。国が減税について税率を決めていくような中央集権的な地方税制のあり方は、限界が近いのではないか。

 住宅ローン減税と固定資産税に絞って見ても、将来に向けて難しい課題があることは明らかだ。住宅・不動産税制において議論すべき課題は山積している。そして、その課題のいずれもこれまでの住宅・不動産税制のあり方の根本を問うものである。消費税や地方財源との関係といった税制全体の見直し議論を避けては通れない難しい課題に直面し、時間をかけて議論する必要がある。

 だからこそ、早い段階で論点を明らかにし、次の時代の住宅・不動産税制の方向性を示すべきだった。幸い新型コロナも落ち着きを見せている。来年の税制改正では、与党には国民生活を豊かにし、経済を再び成長軌道に乗せるための住宅・不動産税制に関する踏み込んだ議論を期待して止まない。

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