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長谷工リアルエステート  伊澤博文 社長に聞く 出店戦略を加速 空白地帯 東京都心に攻勢 将来的に仲介とリノベを半々に

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長谷工リアルエステート 伊澤博文社長
 長谷工リアルエステートは今期(23年3月期)で11期目に突入。長谷工グループで総合不動産流通業としてスタートを切った10年前は仲介実績がほぼなかったが、そこから右肩上がりで業績を伸ばしてきた。利益ベースで見ると、前期は23億円を超えており、不動産取引が活況を呈している中で、グループ内からは、もう一段の成長を求められている。今年4月1日付で社長に就任した伊澤博文氏に事業戦略などを聞いた。

 ――新たなカジ取りを任され、どのような成長ストーリーを描いていますか。

 「総合不動産流通業として新たな10年が始まった。長谷工グループ内での仲介事業に対する評価として、『もう少しできるだろう』との見方だ。言い換えれば期待されていると認識している。グループ会社間の風通しがよい強みを生かし、成長角度を上げていく。個人的には10年先を見据えたロードマップ策定など大きな目標を立てて取り組みたい。今期は10億円を投じて様々な投資を計画しているため、利益に反映しづらい面もあるが、売上利益は前年比2割以上アップで100億円を超える水準まで伸ばしたい。利益水準は25億円を視野に入れている」

 ――その投資資金はどのように使いますか。

 「右肩上がりの成長速度を上げるために店舗を増やす。これまで2店舗ペースだったが、毎年5店舗ずつ増やして生産性を引き上げる。店舗増加に伴いそれに見合った人材を採用して戦力になるように育て上げなければならない。新たな店舗出店と若い人が経験を積めるような環境整備など営業マンをサポートする仕組み作りに資金を投じる。

 現在の店舗展開は、東京を中心に44店舗だが、流通大手と比較すると大きく見劣りしている。流通業は店舗数と業績が連動する傾向が強い。空白地帯をなくす動きに注力する。これまで長谷工グループが建設した大型マンションに仲介店舗を併設するなどの展開をしてきたが、その結果として都心が弱い。拠点網が手薄の山手線内側に出店攻勢をかけ、いま建設中の都心分譲マンションの1階部分にも出店する。長谷工の新規供給マンションのボリュームを見ながらピンポイントで出店する予定だ。既存店の活用とともに、生産性を上げるのが大命題だ。今後は、マンションだけでなく、戸建て住宅や商業不動産など幅広いアセットの仲介を手掛けていく」

 ――人材をどのように確保していきますか。

 「次期の新卒採用は相当数増やす予定だ。それと同時に中途採用も増やして今後の店舗増に備える。中途採用は即戦力を意識してのものだが、不動産業界にとどまらず、異業種で実績を残した活動量の多い営業マンを採用していきたい。実際、居酒屋出身者が抜群の数字を残している」

 ――新型コロナ感染拡大の2年間の取引状況について。

 「リテールは絶好調だった。感染第1波に伴う緊急事態宣言が終わった後、旺盛な買い需要が続いた。個人の住宅取得意欲は強かった。売り物件が少なく需給バランスが逼迫して価格を押し上げた。

 だが、最近になってやや慎重姿勢で、一時期ほどの勢いはみられない。今年の4月スタート時点は昨年に比べて契約が増えたものの、先が読めないのが正直なところだ。

 ロシア・ウクライナ戦争、資源高、インフレ経済など過去2年間に比べて慎重にならざるを得ない環境だ。エネルギー価格や物価などの値上げが続けば生活に響き、個人の消費マインドは重くなっていく。社内的には前半勝負だとハッパをかけている。ひそかに願っているのは円安を背景にした海外需要が活発化することだ。台湾やシンガポールなど実需とは呼べないかもしれないが、業績には大きくプラスに働くのでリベンジリバウンドに期待している」

 ――グループの強みを生かせるのが買取再販です。

 「仲介と買い取りの比率を戸数ベースで見ると、前期は仲介事業が2000戸、リノベ再販が714戸だった。将来的には売上高ベースで半々にしたい。リノベーションして再販する事業はマンションに限っていえばグループの管理戸数40万戸超というアドバンテージがある」

 ――DXなど新戦略は。

 「リノベーション事業で3D画像を本格的に導入する。リノベ工事が始まる前に消費者に居住後の感触をつかんでもらう取り組み。前年から試験的に数店舗で試運転をしていたが、今年度から全店舗に導入する。自動追客システムも強化し、今期から全店舗に導入して希望条件を読み取って適切な物件を顧客に知らせたり、相場を瞬時に割り出すなどフォローすることで営業の効率化につなげる」

(聞き手・中野淳)

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