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社説 不動産業の環境対応本格化 世界のトップランナーを目指せ

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 大手不動産企業による「2050年カーボンニュートラル」への取り組みが本格化している。今後、経営に取り込んでいかないと生き残れない、大きな課題との認識なのだろう。特に最近目を引くのが、国際的な温室効果ガス排出量の算定基準「温室効果ガス(GHG)プロトコル」の中に設けられた排出量区分(スコープ1、2、3)への削減目標設定だ。詳細をここで書くのは控えるが、ポイントは自社の活動や提供する商品・サービスでの削減目標に加え、取引先も含めた削減目標になっていることだ。そして、段階として最初は自社から目標を達成し、次に取引先を含めたサプライチェーン全体の削減を求める。最終的に排出量と吸収量を同じにして実質ゼロにすることも目標にしている。

 現在、これらの削減目標を掲げている不動産企業から示されている具体的な取り組みは、ZEHやZEB、国内外の環境認証を取得した新築建築物の供給のほか、エリア単位での効率的なエネルギー供給網の構築、既存の建築物への再生可能エネルギーの提供、再生可能エネルギー設備の整備などとなっている。少し補足すると、大規模再開発の際に独自の高効率エネルギープラントの整備を盛り込んだり、オフィスビルのテナント向けに太陽光発電や風力、地熱など自然エネルギー由来の電力を直接、間接的に提供すること、独自の自然エネルギー由来の発電施設を持つことなどが該当する。これらは不動産業にとってコストアップという側面から、高付加価値を維持するための取り組みという側面や、環境への取り組みに遅れを取らないようにするという側面に完全にシフトした。

 環境規制がイノベーションを起こした事例で有名なのは、1970年の米国マスキー法だ。当時世界で最も厳しい規制であり、米国自動車業界が強く反発したが、規制をクリアするエンジン開発を日本が行ったことで、日本の自動車産業が世界のトップに躍り出るきっかけにもなった。裏を返せば、当時世界一だったアメリカ自動車産業の凋落を象徴する出来事と言えるだろう。では、今、日本の不動産業がどちらになるのか。かつての日本の自動車産業になると信じたい。

 今回、イノベーションのカギとなるのは、取引先にも削減目標の達成を求めるという部分だと考えている。大手不動産企業はグループに仲介や管理会社を有しており、まずはグループ内での削減を進め、ノウハウを蓄積。そのノウハウをグループ外の取引先へのガイドライン提供に加え、ノウハウのトータルパッケージを中堅不動産グループや海外に販売するビジネスに発展できるのではないか。そこまでの過程でも、個別にビジネスになるタネは多くあるはずだ。今こそ日本の不動産業は、環境分野で世界のトップランナーを目指すべきである。

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